アレキサンダーファン
2007年12月掲載
第30回 アレキファン的「ホルンの“ホ”」
アレキサンダー社225周年&輸入開始70周年 記念パーティー



アレキサンダーに関わる人々が多数集った!(でもほんの一部)

アレキサンダー社225周年&輸入開始70周年 記念パーティー
1782年にフランツ・アムブロス・アレキサンダーがドイツ・マインツにて楽器製作会社を興してから225年が過ぎ、7代目社長ゲオルグ・フィリップ・アレキサンダーの現在まで、アレキサンダー社はマインツにあって綿々と楽器作りを続けてきた。
また、最初にヤマハ(当時の日本楽器製造株式会社)が日本にアレキサンダーを輸入してから70年が過ぎた(現在は株式会社ヤマハミュージックジャパンが輸入を引き継いでいる)。

その両方のメモリアルイヤーとして、「アレキサンダー社225周年&輸入開始70周年記念パーティー」が2007年11月3日、東京・青山ダイヤモンドホールにて開催された。
この日はプロのホルン奏者をはじめ、楽器店、出版社など実に80名以上のアレキサンダーホルンに関わる人々が招かれ、皆がアレキサンダー社の長い歴史とヤマハブランドとのパートナーシップを祝った。

ドイツ・アレキサンダー社からは社長のフィリップ・アレキサンダー氏はもちろんのこと、営業部長のハンス・ヘルマン氏、海外営業担当のレイモンド・パンクラッツ氏も来日。
さらに、ちょうど来日公演中だったミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団とフランクフルト放送交響楽団のホルンセクションのメンバーも駆けつけてくれたのだった(ただし楽器持参でなかったのは残念!)

パーティー風景


様々な立場から見たアレキサンダー

パーティーはまず、この日のために結成されたアレキサンダーホルンスペシャルカルテットによるゴラーのファンファーレで幕を開けた。

アレキサンダーとヤマハブランドの関係を「ユーザーを裏切らない日独信頼のブランドの結び付き」と紹介したヤマハミュージックトレーディング株式会社(当時)社長の中谷伸司氏
アレキサンダーとヤマハブランドの関係を「ユーザーを裏切らない日独信頼のブランドの結び付き」と紹介したヤマハミュージックトレーディング株式会社(当時)社長の中谷伸司氏
まず、現在アレキサンダーの輸入を手がけるヤマハミュージックトレーディング株式会社(当時)中谷伸司社長の挨拶。「MASTERPIECES OF GERMAN GESIGN」(ダイヤモンド社刊)という本にアレキサンダーの103がポルシェやライカとともに、ドイツデザインを代表する傑作として取り上げられていることを紹介。さらに、ヤマハとアレキサンダーの結びつきのきっかけが、70年前に、宮内庁から「アレキサンダーのホルンを2本ほしいのだが」という依頼があったというエピソードを披露した。そして最後に、我がアレキサンダーホルンオーナーズクラブ(AHOC)を「2004年にアレキサンダー社が公認した世界で初めてのオーナーズクラブ」と紹介いただいた。

第7代アレキサンダー社社長であるフィリップ・アレキサンダー氏。各種イベントやこの「アレキサンダーファン」ですでにお馴染みの方も多いのでは
第7代アレキサンダー社社長であるフィリップ・アレキサンダー氏。各種イベントやこの「アレキサンダーファン」ですでにお馴染みの方も多いのでは
千葉県の伊藤楽器 伊藤賢二社長の音頭による乾杯のあと、フィリップ社長がスライドを使いながらアレキサンダー225年の歴史を紹介。お父さんであり先代社長であるアントン・ユリウス・アレキサンダー氏からの言伝もあった。そして最後にこう締めた。
「アレキサンダー社において伝統とは過去への賞賛、過去を振り返ることではありません。未来への光を、次の世代へと常に受け継いでいくことなのです」

ドイツビール
提供されたドイツビールは、ミュンヘンの有名なビアホール、ホフブロイハウス(HB)のオクトバーフェスト特別製
ドイツのオクトバーフェストにちなんだドイツビールも提供され、その深いテイストを味わいながら、スクリーンにはドイツ・マインツにおけるアレキサンダー225周年のイベントの様子が映し出された。ヘルマン・バウマン氏やミヒャエル・ヘルツェル氏ら往年の名プレーヤーからアマチュアホルン奏者まで世界中から集まった200名近いホルンプレイヤーによる大合奏の場面など、圧巻である。「さすが地元」という感じだった。



アレキサンダーに縁のあるゲストの楽しい挨拶が続く

アレキサンダーに縁のあるゲストの挨拶は続く。
ネロ楽器吉田邦生社長は日本におけるアレキサンダーの黎明期を直接知る人として、数々の興味深いエピソードを披露してくれた(中にはここで書けないような内容も……)。その主な内容は「足掛け40年の付き合いで、アレキサンダー社がいかにフレキシブルでユニークな会社か」というもの。例えばこんなことだ。
「初期のディスカントホルンに軽量化のために使用した樹脂製のロータリーが、日本の暑さで膨張して動かなくなってしまったので、本社にフィードバック」した話。
「管を差し替えることで全ての調を同じ指使いで吹けるユニバーサルホルンというものをアレキサンダーが開発。しかしその楽器を修理に出したら管をめちゃくちゃに入れられて、それを戻すのに苦労した」という話。
「一人のプレイヤーのアイディアで完成した403Sだが、ベルリンのプレイヤーはその形状から『蛸』と呼んでいること」など。

読売日本交響楽団のホルン奏者であり日本ホルン協会の常任理事である野瀬徹氏からは、「ホルンを愛する人の輪を広げたい、という日本ホルン協会の立場から、アレキサンダーの貢献を評価したい。読響では、同僚の中で私だけがアレキサンダーユーザーではないので、アレキサンダーホルンの音に合わせることに最も気を配っている人間です(笑)」とのコメントが。
(ちなみに、野瀬氏が編集を担当する日本ホルン協会の会報でも、この日のパーティーの様子がレポートされている)



アレキサンダーホルンスペシャルカルテット登場!!

さてここで、アレキサンダーホルンスペシャルカルテットが再登場した。この日のために特別に編成されたホルン四重奏で、当然全員がアレキサンダー(それも103)ユーザーである。
メンバーは、アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンにも所属する久永重明氏(読売日本交響楽団)と竹村淳司氏(東京交響楽団)に加えて、日本のオーケストラのホルン奏者では最年少という松坂隼氏(読売日本交響楽団)と、将来が嘱望される女流ホルニスト庄司知世氏(フリーランス)。
ターナーの「バルクスのためのファンファーレ」とプレトリウス「バロック組曲」が演奏され、アレキサンダー同士のハーモニーが醸し出す響きの妙を、一同が堪能したのだった。

この日のために特別に結成されたアレキサンダーホルンスペシャルカルテットの演奏
この日のために特別に結成されたアレキサンダーホルンスペシャルカルテットの演奏

さらに出版界を代表して楽器の業界紙「ミュージックトレード」の桜井行於氏、楽器店を代表してドルチェ楽器の安川透氏、プレイヤーを代表して新日本フィルハーモニー交響楽団の阿部雅人氏や九州交響楽団の林伸行氏などたくさんのゲストのスピーチに耳を傾けつつ、パーティーは最後まで和やかかつ華やかに進んで行った。




アレキサンダー社225周年&輸入開始70周年に寄せて 〜パーティー出席者のコメント〜
●フィリップ・アレキサンダー氏(アレキサンダー社社長) 
「まず、70年という長い間ヤマハブランドとアレキサンダーが強固なパートナーシップを続けてきたことを誇りに思い、同時に嬉しく感じます。今日は我々の225周年の記念式典を、日本の皆様とともに東京で開催することができたのは、 非常に大きな意義があると思います。
右からフィリップ・アレキサンダー氏、ハンス・ヘルマン氏、レイモンド・パンクラッツ氏
右からフィリップ・アレキサンダー氏、ハンス・ヘルマン氏、レイモンド・パンクラッツ氏

ここに来られなかった皆様に対しても、日本でこれほど大きなファングループ(=AHOC)があるということをとても幸せに感じますし、我々はこれからも日本のアレキサンダー奏者を最大限サポートして行きたいと思っています。そして、将来にわたって絆と友情を保ち続けて行きたいと思っています――そう、次の225年間もずっと」


●ハンス・ヘルマン氏(アレキサンダー社営業部長)
「ドイツにもアレキサンダーを使っているプレイヤーはたくさんいるが、彼ら同士はあまり交流がないので、日本のAHOCのように組織された集まりというのは大変意義のあることだと思います」


●久永重明氏(読売日本交響楽団ホルン奏者)
「225周年というのは想像もつかない年月ですよね。モーツァルトが2006年に生誕250年でしたから、まさにモーツァルトの生きている間にアレキサンダーが創業したということになります。もちろんアレキサンダーは最初は木管楽器を主に作っていたわけですが、モーツァルトが木管のアレキサンダートーンを聴いたのではないのかと思うと、非常に感慨深いものがありますよね。
ホルンに関しては、103を作り始めてもうすぐ(2009年で)100年ということで、これも考えてみれば気の遠くなるような話です」


●林伸行氏(九州交響楽団/シンフォニアホルニステン ホルン奏者)
写真左が林氏
写真左が林氏
「多分、国内からは私が一番遠くから参加したのではないでしょうか」という林氏。
「こんなすごいパーティーでなくていいですから、アレキサンダーユーザーの集まりをもっと各地方でも開いていただけるといいと思います。特に地方においてはアレキサンダーというのはまだまだ遠い存在ですから、AHOCを通して各地にそういう活動を広げていってもらいたいものです」


●イーヴォ・ガス氏(ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団ホルン奏者)
急遽駆けつけてくれたミュンヘンフィルとフランクフルト放送響のホルンセクションの方々。右が若きミュンヘンフィル首席のイーヴォ・ガス氏
急遽駆けつけてくれたミュンヘンフィルとフランクフルト放送響のホルンセクションの方々。右が若きミュンヘンフィル首席のイーヴォ・ガス氏
「ちょうどオーケストラの東京公演の最中だったので、この場にいられてラッキーでした。ミュンヘンフィルでも5人のホルンメンバー全員がアレキサンダーの103を使っています。
103は、現在手に入るホルンの中で最高のものだと思います。技術的に素晴らしいものだし、何本か集まったときには、魔法のようなサウンドが実現できます」


宮田一彦氏(ホルン奏者)
●宮田一彦氏(ホルン奏者)
「アレキサンダーファン」初代編集長であり、「のだめカンタービレ」にも出演を果たし、しかも日本のプロで数少ない(唯一の?)403Sユーザーである、みやっちこと宮田一彦氏。現在ポップホーン、エポケストラ・ニッポンなど数々のユニークな活動を精力的に展開中。
「アレキサンダー社225周年は素晴らしいですけれど、オーナーズクラブも今後それに負けないくらい続いて行ってくれると、立ち上げに関わった者として嬉しいと思うので、これからもアレキサンダーホルンの輪をもっともっと広げていって欲しいと思います」
――ところで、403Sってどうですか?
「とにかく抜けが良いので、抵抗の少なめの楽器に慣れていて、103はきついけれどやはりアレキサンダーのサウンドが欲しいという人にとっては、403Sはお勧めだと思います」





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