アレキサンダーファン
2005年11月掲載
プロフィール
阿部雅人 阿部 雅人
福島県出身。東京芸術大学音楽学部卒業。在学中に東京フィルハーモニー交響楽団に入団。
ホルンを永沢康彦、大野良雄、守山光三、千葉馨の各氏に、室内楽を山本正治、中川良平の各氏に師事。
東京文化会館推薦音楽会出演。96年に福岡、97年に福島でリサイタルを開く。
現在、新日本フィルハーモニー交響楽団団員。東京ホルンクラブメンバー、東京ミュージック&メディアアーツ尚美講師、日本ホルン協会事務局長。
アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンメンバー。
第01回 達人の息吹


皆さんこんにちは。アレキサンダーファン、達人の息吹を今月から一年間担当することになりました阿部雅人です。

今回からアレキファンも、一般に公開されるようになったみたいで、責任重大です!アレキサンダ―オーナーのみならず、 全国五千万のホルン愛好家の皆さんのために、少しでも役立つようにがんばります。
どうぞ一年間よろしくお願いしますね。

というわけで、学校でも会社でも入ったらまず自己紹介ですね。
僕の生まれたところは福島県のとある町。実家の周りは田んぼと畑ばかりの、のどかな田園地帯。でも、入った中学校が割とブラスバンドが盛んで、先生の勧めもあり、ホルンを吹くことになりました。実は小学校の時に、ちょっとだけ鼓笛隊でトランペットを吹いていたのですが、何となくこれは僕が吹く楽器じゃないな、って感じていたんです。
でもホルンには、ビビーん!ときましたね。これは吹ける!って。なんてったって、その音が気に入りました。その勘違い?が人生を変えましたよ。それから今まで30年近く!ホルンと格闘することになろうとはね。

もちろん僕も自己流でホルンを吹いていたのですが、高校生の時に自分の吹き方に疑問を持ち、 一度だけでもとレッスンを受けることにしました。
今思えば、そのレッスンこそが自分の運命を決めたのかもしれません。そのレッスンというのは、「君の吹き方(アンブシュア)は間違っている!」ガガガーン!というものでした。うすうすと感じてはいましたが、やっぱりなーと思いましたよ。
それからというもの、どんな高い音も低い音も楽々と吹け、誰もがうなるような素晴らしい音色で、絶対に音が外れない アンブシュア(そんなものあったらいいけどね)を求めて、長い長い航海に出ることと相成ったのでありました。

なにしろ僕にはその当時重大な欠陥があったのです。ここで公開するのも恥ずかしいのですが、誰が見てもおかしい位、 楽器を下に向けて吹いていたし、何と言っても、上唇をほとんど使わず、上1、下9くらいの割合で吹いていました。

その吹き方でも吹けない事はなかったのですが、本来のホルンの音とは程遠い音色と音域しか出せなかったですね。
音大に入ってプロになってからも、実に様々な問題で奏法には苦しんで来ました。勘違い、試行錯誤の繰り返しで、 もうホルンをやめようと思った事も、正直言ってあります。

そんな私が、なぜいまこうしてアレキファンの皆様の前でワンポイントレッスンなんぞをやることになったか??不思議です。 って、それじゃレッスンになりません!
それは、間違いを色々と経験したからこそわかる事もあるのです。と、かの有名なフィリップ・ファーカス先生も言っておられました。
とにかく人間は出来ないと思ったら出来ないし、出来ると思えば出来るのだ!と、その言葉を座右の銘として頑張って参りました!!

冷静に考えると、誰でも、吹けないのや、気持ちのいい音(ここが大事です!)が出ないのには理由があるものです。 もちろん誰でもプロのように上手に吹けるようになれる訳ではありませんが、合理的な奏法を身に付ければ、その人の最大の能力が発揮出来る様になると、僕は考えています。
上手な人は、それを知っているか、もしくは体の構造上、調子が良い状態を維持しやすい事だと思うのです。もちろん音楽的センスというのもありますが。でも、単純に音を出すという事が、今までよりも簡単に出来たら、もっと高い次元で音楽が出来る様になりませんか?それこそが、奏法を改善する最大の理由なのです!

と、言う訳で、私は、達人の息吹という題名に負けないように、これから具体的かつ専門的にホルンの奏法に迫ってみたいと思います。
気持ちのいいハーモニーを奏でるのも、かっこいいソロを吹けるようになるのも、要はあなたのやる気次第。
これからの一年間、僕と一緒に気持ちのいい音を出せるように頑張りましょう!

来月は、どこに当てればいい?の話。


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